現在、日本代表のエースナンバー10番を背負い活躍を続ける南野拓実選手。
複数ポジションをこなせる事から、現代サッカーにおいては重宝される存在として、これまで様々なチームで活躍をしてきました。
世界最強リバプールから声をかけられたその才能は、いったいどこで生まれ、どのように認められていったのでしょうか。
最近では、セビージャやリーズへの移籍話も取りざたされていますね。
南野拓実選手のこれまでの経歴やプレースタイル、履いているスパイクなどについて、解説していきます。
イケメンサッカー選手としても有名な南野拓実選手
南野拓実の年俸推移と市場評価額推移
年度 | 年齢 | チーム | 年俸 |
2013 | 18 | セレッソ大阪 | 360万円 |
2014 | 19 | セレッソ大阪 | 1000万円 |
2015 | 20 | ザルツブルグ | 5260万円 |
2016 | 21 | ザルツブルグ | 4500万円 |
2017 | 22 | ザルツブルグ | 2億8700万円 |
2018 | 23 | ザルツブルグ | 2億2300万円 |
2019 | 24 | ザルツブルグ | 2億2300万円 |
2020 | 25 | リバプール | 約6億円 |
2021 | 26 | リバプール → サウサンプトン (レンタル) | 約6億円 |
2021 | 27 | リバプール | 約6億円 |
2022 | 28 | リバプール | 6.6億円 |
年度 | チーム | 市場評価金額 |
2014年3月 | セレッソ大阪 | 1億6400万円 |
2015年12月 | ザルツブルグ | 3億9400万円 |
2016年12月 | ザルツブルグ | 3億2800万円 |
2018年12月 | ザルツブルグ | 6億6000万円 |
2019年12月 | ザルツブルグ | 16億4000万円 |
2020年10月 | リバプール | 13億1300万円 |
2021年3月 | サウサンプトン | 15億7600万円 |
2021年12月 | リバプール | 15億7600万円 |
2022年3月 | リバプール | 15億6000万円 |
南野拓実選手は、年俸と比較すると市場評価額がそこまで高く無い印象です。やはり久保建英選手などと比較すると、(所属チームの中では)プレースタイルに派手さが少ないのも要因かもしれません。
しかし、「オフザボールの動きの良さ」「複数ポジションをこなせる汎用性」から、チームへの貢献度を考えたら、この市場評価額は結構お買い得かもしれませんね。
「完璧なチームとは、8人の明神と3人のクレイジーな選手で構成される」とは、元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏の言葉ですが、リバプールでの南野選手の役割は明神選手のようでもあり、個性の強いリバプールの中ではこういう汗かき屋に徹してくれる選手がいるだけで、とても頼もしいものです。
リバプールのクロップ監督が、ファンやメディアとは対象的に、南野選手の事を褒め称えるのは、この献身性も評価しているからだと思います。
南野拓実の経歴(幼少時代、小学校、中学校、高校)
南野拓実選手は大阪府泉佐野市出身の1995年1月16日生まれです。熊取町のフレンド幼稚園時代からサッカーを始め、その後長い付き合いとなる日本代表室屋成選手ともフレンド幼稚園で出会います。
(フレンド幼稚園熊取町 所在地:大阪府泉南郡熊取町大久保東2丁目1-13)
野球界では田中マー君と坂本勇人選手が幼馴染として有名ですが、南野拓実選手と室屋成選手も幼馴染だったんですね!
南野拓実 小学校 ~泉佐野市立長坂小学校 ~
南野拓実選手は泉佐野市立長坂小学校に入学します。
(泉佐野市立長坂小学校所在地:大阪府泉佐野市鶴原1053)
フレンド幼稚園に通うサッカー少年達は、小学生になると、ゼッセル熊取でプレーする子がほとんででした。南野選手と室屋選手も当然のようにゼッセル熊取でプレーする事となります。
ゼッセル熊取のある熊取町は、人口4万4000人の小さな町クラブです。後の日本代表が2人も同時期に生まれた事は本当に快挙ですね!
ゼッセル熊取時代は南野拓実選手がFW、室屋成選手がトップ下のコンビでチームを引っ張っていました。
南野拓実選手にとって、最大のライバルであり親友でもある室屋成選手が同じチームにいた事は、大きな成長のきっかけとなったと思います。
当時二人を指導した比嘉陽一コーチは、当時の二人をこう振り返ります「巧実はホンマに負けず嫌いで、ボールを奪われたら取り返して、そのまま点を取ってしまうような子だった。成の方は運動量豊富で気の利く選手だった」
当時から二人共、今のプレースタイルは出来上がっていたのですね。
南野拓実 中学校 ~泉佐野市立第三中学校〜
南野拓実選手は泉佐野市立第三中学校に入学します。
泉佐野市立第三中学校 所在地:大阪府泉佐野市下瓦屋500
中学生に上がった南野選手は、育成の名門セレッソ大阪ユースU-15にスカウトされ、入団しました。
セレッソ大阪ユースU-15でチームメイトだった秋山大地選手は、当時の南野拓実選手の事をこう語ります「初めの頃は体が小さくて、そこまでうまいとは思わなかったですね。ただ、勝ち気な部分がすごかった。そこは他の選手とは比べ物にならないほどでした」
セレッソ大阪ユースU-15では2009年第24回クラブユースサッカー選手権(U-15)大会で、ベスト8まで勝ち進み、得点王を獲得します。
南野拓実 高校 ~興国高等学校〜
南野拓実選手は興国高等学校へ進学しています(興国高等学校サッカー部には所属していません)。
興国高等学校所在地:大阪府大阪市天王寺区寺田町1丁目4−26
興国高校ではなんと、セルティックの古橋亨梧選手と同級生でした。古橋選手は興国高校のサッカー部員として活動しており、学校行事などで時々顔を合わす事はあっても、あまり話したことは無かったそうです。
2010年には順調にセレッソ大阪ユースU-18へ昇格を果たしました。
(セレッソ大阪ユースで10番を背負う南野拓実選手と、東京ヴェルディユースで10番を背負った中島翔哉選手の、当時の対戦映像)
南野拓実はスパイク何履いてる?スパイク遍歴
サッカー選手はプレースタイルによって、自分好みのスパイクを選ぶのが重要です。
スパイクにもその特徴は現れており、南野拓実選手は2018年以降はアディダス「ネメシス」シリーズを着用していました。
アディダス「ネメシス」の特徴として、テーピングのように足全体に密着するためフィット感が良く、多方向へのグリップ力も兼ね備え、激しい動きの中でも安定感を発揮できます。
南野拓実選手は、その端正なルックスとは対象的に、泥臭い運動量が持ち味の一つですので、ネメシスを選んでいたのも納得です。
しかし、2021年8月から「ネメシス」から同じアディダスの「プレデター」に変更しました。
アディダス「プレデター」の特徴として、広いボールタッチエリアを確保したアッパー構造で、精度の高いボールコントロールをサポートし、ボールコントロールしたい選手におすすめのスパイクです。
南野拓実選手は「泥臭い運動量」から「ボールコントロール」へと、自身のプレースタイルに大きな変化を起こそうとしているのかもしれませんね。
南野拓実のプレースタイル
所属するリバプールでは、当初センターフォワードであるフィルミーノの代役としての活躍を期待されて入団しましたが、クロップ監督からは「複数ポジションを出来るのが、タキ(南野拓実選手)の魅力だ」とも評されております。
現に、これまでのリバプールでのポジションを見てみると、ウィング・センターフォワード・トップ下・インサイドハーフ、など、その「汎用性の高さ」は際立っていました。
リバプールサポーターからは「南野の最適ポジションが分からない」と揶揄される事もありましたが、クロップ監督からは一貫して高評価が与えられています。
「選手が1試合でボールに触れるのは約2分間だが、残りの88分間にどう動くかで勝負が決まる」とは、トータルフットボールを唱えた故ヨハン・クライフ氏の言葉です。
ヨハン・クライフといえば、今のバルセロナのポゼッションサッカーの基礎を作った人物として有名です。そしてクロップ監督は、バルセロナのサッカーからいくつかのヒントを得ている事も公言しています。
クロップ監督の代名詞ともなった「ゲーゲンプレッシング」。複数人で一斉にボールホルダーへ向かって、ボールを奪いにいく戦術ですが、1974年オランダ代表を率いたリネス・ミケルス監督のトータルフットボールが元祖です。そのトータルフットボールの中心選手として躍動したヨハン・クライフは、後にバルセロナの監督になり、ボールを奪われてから5秒以内に相手ボールを取り返す「5秒ルール」へとつながっていき、「ゲーゲンプレッシング」へと派生していきます。
「ゲーゲンプレッシング」では、FWの守備が特に重要です。
南野選手が評価されるのは、前線からの泥臭い守備も買われているのだと思います。バルセロナが南野選手の獲得に乗り出したというニュースも理にかなっていますね。バルセロナのシャビ監督が南野選手へ興味を示すのも自然な事かもしれません。
南野選手の良さは「分かる人には分かる」玄人好みのプレーなのでしょうね。
南野拓実の日本代表での役割・こういうふうに活きる
リバプールでの南野選手と日本代表での南野選手の役割は大きく異なっています。
リバプールでは、マネ・サラ−・フィルミーノといった世界最強3トップが得点を量産している為、南野選手はゴールよりも、チームの勝利につながるプレーを、仮にチームをパズルとして見立てた時に、欠けたピースの穴埋めとしての役割を求められています(少ない出場時間を高い決定力でゴールを決めていく姿も立派だと思いますが)
一方日本代表では、エースとして、勝負を決定づけるゴールを求められています。
日本は世界の強豪国と比較してしまうと、決定力の低さは否めません。調子が今一つの時でも、勝負所ではチャンスをものにしてくれる南野拓実選手は、日本代表の前線にはやはりいてほしいものです。
今後日本代表がワールドカップベスト16の壁を突破する為にも、南野拓実選手の決定力は、重要となっていく事でしょう。
日本代表での南野選手は、久保建英選手や堂安律選手といった、テンポよくパス&ゴーで絡んでいく選手とは相性が良さそうですね。しかし3人共高さが足りない為、1トップに大迫勇也選手は置いておく必要がありそうです。4−2−3−1が良さそうですね。
先日のサウジアラビア戦では4-1-2-3でしたが、3トップは残念ながら機能していたとは言い難かったですね。3トップというよりも「戦術:伊東純也」と言った方がしっくりくる気がします・・・
日本代表は「複数人の連動」に活路を見出すのが長所なので、リバプール3人衆(マネ・サラ−・フィルミーノ)のように、個人で打開する戦術は日本代表にはマッチしません。
今後の日本代表のフォーメーションを、大迫選手1トップの4−2−3−1とした場合、最近絶好調の伊東選手は外したくありませんので、右MFには伊東選手を配置し、「南野・久保・堂安・中島翔哉」選手で、トップ下と左MFを争うのが、現実的かもしれません。
個人的には、「中央に南野・左に久保」が日本代表の「最適解」であると感じます。
繰り返しになりますが、「南野選手の良さは、前線からのDF」です。
日本のサッカーでは「無駄走り」という言葉があります。誤った解釈をされる事があるのですが、「走りが無駄になる」という意味で使われる事があるそうです。しかし、これは半分間違っています。
皆さんはこういうプレーを見たことは無いでしょうか?ボランチから左FWにパスがつながり、左FWの後方から左DFがオーバーラップを仕掛け、左FWを追い抜く。左FWは左DFにパスは出さず、中央へカットインしてシュートを放つ・・・
上の例では左DFが「無駄走り」に該当するのでしょうか。実際の所は「無駄」ではありません。むしろこの「無駄走り」から相手DFのマークが一人ずつズレて、左FWに対するマークが薄くなり、左FWはカットインからシュートを打てた、というケースもあるのです。
これは「オフザボールの動き」が良かったから、為せるのです。まさに玄人好み!
南野選手はこの「オフザボールの動き」がとても優れています。これからは南野選手をチェックする際は、「オフザボールの動き」にも注目してみてください。
南野選手の、日本代表における貢献度も再確認できると思います。
これからも、南野拓実選手の活躍に期待していきましょう!