カタールワールドカップ最終予選を戦う日本代表は、2021年2月1日に埼玉でサウジアラビアと対戦し、2対0で勝利しました。
6勝2敗勝ち点18でグループBで単独2位。
第4戦のオーストラリア戦からシステム変更したことが、功を奏したように感じます。
そのシステム変更を期に、ポジションを失った選手もいますが、今まで出番のなかった選手が水を得た魚のように活躍してくれたことが、今回の勝利に大きく繋がっています。
システム変更で活躍してくれた選手は、現在ポルトガル1部リーグのCDサンタ・クララで中心選手として活躍中の守田英正選手ではないでしょうか。
現在、ボランチとして求められている能力は、高い技術力を持っていて、走攻守すべてをこなせることが大前提となっています。
守田選手は、ボランチとして必要な能力をすべて兼ね備えた選手だと思います。
守田選手は、大学3年から頭角を現した遅咲きの選手でした。
頭角を現すまでに、相当な努力をしてここまで上り詰めたのだと思います。
キャプテン翼でいうと、「北海の荒鷲こと松山光」ですね。
「努力の天才」と評される松山くんそのものだと思いませんか。
もともと前線の選手で、キープ力も高いところも似ていますよね。
そんな同1部リーグで強豪のポルトへの移籍話がでている守田選手について、今回はご紹介したいと思います。
守田英正 プロフィール・経歴
【プロフィール】
■所属:サンタクララ
■背番号:25
■ポジション:MF
■1995-05-10
■177cm/75kg
■国籍:日本
守田英正 年俸推移
年度 | 年齢 | 所属 | 金額 |
2018 | 23 | 川崎フロンターレ | 460万円 |
2019 | 24 | 川崎フロンターレ | 1500万円 |
2020 | 25 | 川崎フロンターレ | 2000万円 |
2021 | 26 | サンタクララ | 3000~5000万円 |
1年目からレギュラーに定着し、リーグ優勝2回、ルヴァンカップ優勝1回、天皇杯優勝1回など、現在まで続く川崎フロンターレの黄金世代を築いた中心メンバーとして輝かしい成績をおさめました!
その結果もあり、2018年にJ1 川崎フロンターレに加入した当初は460万円だった年俸はプロ3年目の2020年には2000万円まで増加しており、およそ5倍になりました。
その後、現在所属するポルトガルのサンタクララへと移籍し、移籍当初からスタメンを勝ち取り
1月25日に行われたプリメイラリーガ(ポルトガルリーグ)第15節・リオ・アヴェ戦以降、リーグ戦全試合でフル出場。
さらには公式戦45試合に出場して4ゴール3アシストを記録。サンタ・クララはプリメイラ・リーガ第17節消化時点、勝ち点16で14位につけ、苦しい状況が続いていますが、中盤センターに必要不可欠な戦力としてダニエル・ラモス監督から絶大な信頼を寄せられています!
またサンタクララでの年俸は推定3000~5000万円と考えました。
算出方法は、世界のサッカーリーグ選手の平均年俸・国別ランキングをもとにしました。
ポルトガル(世界11位/約4670万円)
参考:https://www.soccer-king.jp/news/world/20141118/251456.html
また守田選手は、サッカー選手の市場マーケット内での価値を示す市場価格でもサンタクララ過去最高の4億170万円。
ですので、
守田選手の移籍前の年俸も考慮し、最低でも1.5倍の3000万円。ポルトガルのサッカー選手の平均より高い5000万円の評価をすることはありうる。と判断。
守田選手の年俸は3000万円~5000万円としました。
参考:守田英正市場価格推移(https://www.transfermarkt.com/hidemasa-morita/marktwertverlauf/spieler/524315)
また守田選手自身もツイッターで海外挑戦の厳しさと成長を実感するコメントを残しており、これからより一層の成長やビッグクラブへのキャリアアップにも期待したいところですね!
守田英正の経歴~華々しさの影で、逆境にぶつかり続けた
今では川崎フロンターレ、サンタクララ、さらには日本代表で輝かしい活躍を見せている守田選手ですが、それまでのサッカー人生は成功ばかりではありませんでした。
大阪府の高槻市で生まれた守田選手は、5つ年上の兄の影響で幼稚園の頃にサッカーを始めました。
「もともとはテニス一家だった」と言うように、両親と姉がやっていたこともあってテニスという選択肢もあったのだが、いつの間にか“打つ”ことから“蹴る”ことが好きになっていたといいます。
そんな守田選手の少年時代は「サッカーはもちろん真剣にやっていたけど、結構遊ぶことも好きだった」と振り返るように、割とやんちゃな少年だったようだ。
「チャラチャラしていましたね(笑)。はしゃいだり、人目を気にせず迷惑かけることをしたりして、しょっちゅう怒られていました。両親に怒られても関係なくやっていましたけど、いま考えると迷惑かけたなぁという感じです(苦笑)」
そんなやんちゃな少年を支えていたのが、サッカーだった。地元の高槻清水FCに加入。
https://www.frontale.co.jp/f_spot/pickup/2018/03.html
小学生当時もボランチでプレー。当時は現在とは違い攻撃的なボランチで、水を得た魚のようにピッチを駆け回りました。プロを目指したきっかけも小学生時代でした。
守田英正は中学時代にガンバ大阪のジュニアに落ちた
中学は高槻市立第九中学校に進学。
有名な卒業生:倉田秋(ガンバ大阪)
昔から好きだったガンバ大阪のジュニアユースの試験は受けたが、結果は不合格。クラブチームに入りたいという考えは、これで一切なくなった。そして選んだのが、仲の良い兄がプレーしていた中学だった。
https://www.frontale.co.jp/f_spot/pickup/2018/03.html
中学時代は顧問の先生が教育熱心で、守田英正選手の兄もその顧問の先生に習っていたことから、守田英正選手も先生について行ったのです。
そして高校は金光大阪高校に進学しますが、高校時代に彼を指導した金光大阪・岩松哲也監督によれば、高校入学時点では並よりやや上という程度の選手に過ぎなかったようで
「出身は中体連で強いところではあったんですけど、並の選手でした。ボールを扱う技術についても普通よりちょっとだけできるね、という感じでしたよ。ボールを落ち着かせる力やさばく力はあったと思います。ただ、それがJのレベルかと言うとそうではない」
https://www.frontale.co.jp/f_spot/pickup/2018/03.html
ただ、その中でも際立ったものが2つあって。それが責任感の強さと走力だったといいます。
努力を重ね、高校1年生の頃から少しずつ試合には出るようになっていたものの、結果的に3年間で全国大会出場はゼロ。
ベスト4が限界という状況に、プロになるという小学生時代からの夢に対して気持ちが揺らいだそうです。
守田英正の大学は流通経済大学
守田選手は高校卒業後に高校サッカー、大学サッカーを見ている人に知らない人はいないであろう大学サッカーの名門である千葉の流通経済大学に進学。
「プロになるなら、ちゃんと名の売れたプロを輩出するような伝統のある大学に行かないといけないと思った」という守田選手の言葉には、まさに現実的にプロへの行き方を模索する守田選手の強い気持ちが感じられますね!
流通経済大学の場所
流通経済大学の有名な卒業生
鈴木翔登(しょうと ロアッソ熊本)
高原幹(もとき 名古屋グランパスエイト)
田上大地(アルビレックス新潟)
中村慶太(清水エスパルス)
湯澤聖人(まさと アビスパ福岡)
流通経済大学では、3年から頭角を現しチームの中心選手に。
2017年の4年時には関東大学選抜に選出され、夏に行われるユニバーシアードサッカー日本代表にも選出されました。
そして2017年7月、ガンバ大阪など複数クラブからオファーを受けましたが、川崎フロンターレに決める。川崎の特別指定選手に承認されたのち、12月、インカレでは優勝に貢献し、同大会最優秀選手に選出されました。
以上のように献身的かつ華麗なプレースタイルの裏に隠された多くの挫折と強い向上心が守田選手の強みであり、今なお進化し続ける守田選手の礎となっています!
JFA(日本サッカー協会)の公式YouTubeチャンネルでは同じく海外で活躍する鎌田選手と対談を行っていました。
その中で守田選手は自分の経歴や価値観などに様々な質問に答えていました!
①人と違った練習方法はあるか?
「人よりあまりうまくなかったからこそ、人が遊んでるときに黙って走ったりしたかな。大学は寮だったから、朝早起きして自主練したり、こすいことはしてたかな(笑)」
高校時代や大学時代で挫折を味わいながらも、人よりも少しでも努力し続ける姿勢が今の守田選手を作り上げたのかもしれませんね!
②今までの代表メンバーで一番うまかったと思う選手は?
「やっぱりゴールデンエイジの小野伸二選手とか中田英寿選手かな」
海外に挑戦した先人ともいえる二人の選手を挙げていることは、今現在ポルトガル、サンタクララへの海外挑戦を決めた一つのきっかけになっているのかもしれませんし、噂されている同リーグの強豪のポルトやトルコの名門フェネルバフチェ、さらにはイングランド2部ハル・シティへの移籍の一つの理由になるかもしれません。
正直分かりにくい?守田英正選手の凄さ
サッカーは点をとるスポーツなので、どうしても前線の選手に目がいきがちです。
前線の選手の場合、得点やアシストという結果の部分が表示されるのでわかりやすいのですが、ボランチのポジションの場合、攻撃のスイッチを入れることや、得点に繋がる一つ前のプレーが多いため、目に見える結果として表示されにくいです。
そのため、サッカー経験者でない人は、ボランチの選手はどこが凄いのかが分かりにくいのではないでしょうか。
このボランチというポジションは、攻撃の面で必要な高い技術と、守備で必要なハードワークに加えて、状況判断能力、ポジショニング、ゲームメイクなどこれらの資質が備わっていなければなりません。
そのため、ボランチ以外の名称として、レジスタ(司令塔)という場合もあります。
これらの資質を守田選手は、兼ね備えているのです。
一般的にボランチの選手は、ボールを取られると危険な位置にいることが自分で分かっているので、なるべく安全なところへパスを出すことが多いのですが、守田選手は足元の技術が高く、判断能力が優れているため、安易なパスを選択しません。
また高い守備能力を誇り、ボール奪取力、一対一の競り合いにも負けない高いフィジカルも兼ね備えていることも優れている点です。
傍から見ると危ないプレーに見られることが多いのですが、守田選手が選択したのならば大丈夫だと感じてしまうのが不思議です。
まだ26歳と若いので、これからどう成長していくのか楽しみでなりません。
移籍報道多数!守田選手はどこに移籍すべきか?
所属のCDサンタ・クララで、今期も安定したプレーを続けている守田選手に、ポルトガルの強豪FCポルト、トルコの強豪フェネルバフチェとガラタサライからオファーが届いていると報道されています。
現段階では、トルコ人のイスマイル・ウズン氏は、守田英正が今後もチームに必要不可欠な戦力であり続けると思っているので、来年1月の移籍ウィンドウでの放出しない方針だと言われています。
ここに挙がっているチームは、ボランチのポジションに困っているチームですから、ボランチやインサイドハーフをこなせる守田選手を獲得したい気持ちは分かります。
そして、どのチームもCDサンタ・クララよりも、強豪であることを考えるとステップアップなのかもしれません。
本人もステップアップを望んでいるようですが、個人的には来季の移籍には慎重になったほうがいいのではと思います。
理由は、2022年のワールドカップが夏季から冬季の開催に変わったことです。
現在、グループBで2位につけている日本代表は、必ずワールドカップへ出場してくれると思っています。
ワールドカップが、2022年11月21日に開幕するということは、海外リーグが開幕したあとに開催することになります。
仮に守田選手が、ワールドカップメンバーに選ばれたとして、移籍先で出場機会が激減したとすると、コンディション面での調整や、試合勘が欠如した状態でプレーすることになります。
このタイミングの移籍は、ワールドカップのことを考えると、いいとばかりは言えないのです。
現状だけで考えると、CDサンタ・クララであれば出場機会は確保できるので、移籍しないという方向性があってもいいのかなと思います。
そして、ワールドカップでの活躍次第では、他にもオファーが舞い込んでくるかもしれません。
守田選手の能力があればスペイン・イングランド・ドイツ・イタリア・フランスの5大リーグでも十分にプレーできると思うので、そこでプレーしている姿が見たいと思っています。
守田選手は、来年27歳になりますので、サッカー選手としては、決して若いという訳ではありません。
そのため、早い段階でステップアップを望んでいる気持ちは理解できます。
移籍を決めるのは、クラブと本人です。
私たちが何か言える立場ではないですが、悔いの残らないような判断をしてもらえたらと思います。
守田選手は日本代表で生き残れるのか?
守田選手は、この調子をキープできれば間違いなく、ワールドカップメンバーには選ばれると思います。
理由として、現日本代表の「インサイドハーフの選手不足」と「4-5-1と4-3-3システムの併用」があげられます。
日本代表のシステムは、最終予選第4戦から、4-3-3のシステムに変更して戦っています。
このシステムに変更してから、守田選手は出場機会を得ることができました。
4-3-3の中盤の3人は、このシステムの肝になるポジションです。
4-5-1のシステムの場合、ダブルボランチの前に3人の攻撃的な選手が配置するので、ボランチの選手は、かじ取り役に回ります。
しかし4-3-3は、中盤の3人で攻撃と守備を行わなければならないため、全体のクオリティが求められます。
最終予選第6戦までで、この中盤で出場している選手は4人います。
守田選手、遠藤航選手、田中碧選手、柴崎岳選手です。
お気づきだと思いますが、全員本職がボランチの選手なのです。
日本代表には、インサイドハーフを本職とする選手がいません。
4-3-3のシステムで戦っているのに、本職のインサイドハーフがいないというのは、違和感を感じてしまいますが、高いクオリティを持っている守田選手にとっては、これがプラスに働きました。
持ち前のフィジカルとテクニックで、攻撃と守備を高いレベルで行うことができる守田選手は、インサイドハーフでプレーする能力を、すでに持ち合わせているのです。
また、川崎フロンターレ時代に4-3-3システムでプレーしていたので、インサイドハーフも問題なくこなし、随所にいいプレーを見せていました。
もう一人のインサイドハーフでプレーしていた田中選手とは、川崎フロンターレで同僚だったので、お互いどんなプレーをするか分かっているので、やりやすかったこともプラスに働いたと思います。
また、4-5-1のシステムも今後併用することを考えれば、どちらも対応できる守田選手を選外にするという選択はできないと思います。
守田選手の能力を活かすのであれば、4-3-3のほうがいいと思います。
そして攻撃の3人には、突破力や機動力に優れた選手が入ることをオススメします。
該当する選手だと、久保建英、南野拓実、堂安律、伊東純也、原口元気選手などが当てはまります。
選手選考もほうですが、4-3-3システムを始めたばかりのため、チーム全体としての約束事が、しっかりできていません。
ボランチの選手が1人のため、ボランチの横のスペースを使われてチャンスを作られる場合のチームとしての対策など、早急なテコ入れが必要だと思います。
来年の最終予選まで時間がありませんが、しっかりコミュニケーションをとって頑張ってもらえたらと思います。